浴槽・風呂釜への影響

浴槽などの浴室製品、風呂釜(給湯器)、ジェット噴流や気泡噴流機能がある機器製品(以下、浴室関連製品と言う)の「取扱説明書」と、入浴剤などに表示された「使いかたや成分表示」などの注意事項をよくお読みのうえ、正しくお使いください。 また、浴室関連製品および入浴剤などのメーカーのホームページなどの最新の案内情報も合わせてよく確認してください。

使用に際して

浴室関連製品の説明書などで推奨する入浴剤、その他の入浴剤などの使いかたに表示された「浴槽や風呂釜(給湯器)への影響や成分」に関する記載をよく確認してください。記載のないもの、不明瞭なものは入浴剤などのメーカーにお問合せください。
  • 使いかた表示の適量や手順を守り、よくかき混ぜてください。
  • 種類の異なったものは混ぜないでください。
  • 強酸性・強アルカリ性になる入浴剤及びイオウ分を含む入浴剤は、浴室関連製品の腐食や変質劣化の原因になりますので使用をお控えください。
  • 入浴剤の種類によっては、浴槽の底や浴室の床が滑りやすくなりますので注意してください。

浴槽まわりのお手入れお掃除

使用後は、残り湯や排水、飛散した水滴を残したままにせず、浴槽・浴槽の縁・浴槽の循環口の少し奥まったところ、鏡、壁・床、浴槽の排水栓、浴室の排水口周辺などを、必ず柔らかいスポンジや布を用いて十分に水洗いしてください。

注意事項

粉末・顆粒タイプ

分類 注意点
塩(塩化ナトリウム)を含むもの
  • 放置すると、ステンレスや鉄製品にさび(錆)が発生し、機器の故障の原因になる可能性があります
  • 入浴後は浴水を放置せず、早めに浴水を抜き、浴槽まわりを十分に水洗いをしてください
酸化チタンを含むもの(濁るもの)
  • 浴槽の底やまわりが白くなることやポップアップ式排水栓、配管や浴室関連製品の劣化や故障の原因になる可能性がありますので、入浴後は浴槽まわりを十分に水洗いをしてください。循環部の自動洗浄機能が付いた給湯器では自動洗浄をお勧めします
  • 風呂釜内部の湯垢等に付着した濁り成分が浴槽内に出ることがあります
  • 木製の浴槽の場合、濁り成分が付着して取りにくい場合があるので使用を避けてください
  • 浴槽の底や段差が見えづらくなりますので、浴槽でのすべりに注意してください

錠剤・粒状の発泡するタイプ

分類 注意点
全般的
  • 追い焚き運転、その他の浴水の循環運転の異音発生、動作不良や停止の原因になる可能性があります
  • 浴水で発泡中は、給湯器の追い焚き運転、ジェット噴流や気泡発生運転などの浴水の循環運転をしないでください
塩(塩化ナトリウム)を含むもの
  • 放置すると、ステンレスや鉄製品にさび(錆)が発生し、機器の故障の原因になる可能性があります
  • 入浴後は浴水を放置せず、早めに浴水を抜き、浴槽まわりを十分に水洗いをしてください
酸化チタンを含むもの(濁るもの)
  • 浴槽の底やまわりが白くなることやポップアップ式排水栓、配管や浴室関連製品の劣化や故障の原因になる可能性がありますので、入浴後は浴槽まわりを十分に水洗いをしてください。循環部の自動洗浄機能が付いた給湯器では自動洗浄をお勧めします
  • 風呂釜内部の湯垢等に付着した濁り成分が浴槽内に出ることがあります
  • 木製の浴槽の場合、濁り成分が付着して取りにくい場合があるので使用を避けてください
  • 浴槽の底や段差が見えづらくなりますので、浴槽でのすべりに注意してください

液体タイプ

分類 注意点
濁るもの
  • 浴槽の底や段差が見えづらくなりますので、浴槽でのすべりに注意してください

生薬タイプ

分類 注意点
生薬などで、細かく刻んだ状態や粉末のままのもの
  • 細かな粉末が浴水に散乱すると、給湯器、浴水の循環装置、ポップアップ式排水栓や排水管などに詰まり、故障の原因になります
  • 必ず「目の細かな布(袋)」に入れて使用してください
  • 浴槽に色がつく場合がありますので、入浴剤の使用上の注意をよく確認してください

浴槽・風呂釜の苦情として、入浴剤が原因とされる誤認事例について紹介します。

石けんカス(金属石けん)の浴槽への付着

状態 浴槽の縁や内側(水面付近、底部など)に汚れが付着して白っぽく見える。
原因 水道水に含まれる珪酸分やカルシウムイオンと、脂肪酸(石けんの成分、人間の体から出る皮脂にも含まれる)が結合してできた、石けんカスと呼ばれる汚れが浴槽の縁などに付着したもの。→(写真1) セメント剤中のカルシウムイオンと脂肪酸が結合してできた、石けんカス(白い固形物)が排水口周辺に固着。→(写真2)
回復 付着後すぐならば、中性の浴室用洗剤で比較的楽に落せるが、乾くと浴槽・タイルなどの材質への付着が強くなる。このような石けんカスの付着が重なると、材質に固着して落とすことが困難となる。このような場合には、中性の浴室用洗剤をキッチンペーパー等にしみこませ、白くなった部分に5分程度貼って汚れをゆるめたのち浴室掃除用のスポンジでこすり落とす。落ちにくい場合は浴室用のクリームクレンザーを使用する*。
*FRPや人工大理石など浴槽が樹脂系の素材の場合は、柔らかく傷つきやすいので強くこすりすぎないよう気をつける。

もらいサビの浴槽への染着

状態 浴槽の底部などに斑点状のサビがシミついて落ちない。
原因 貯水タンクや水道管からの鉄分が浴槽表面に固着し、空気中の酸素により酸化して黄~赤茶色になってしまったもの。錆びた鉄粉などが外部から付着してシミついた場合もある。
浴槽の縁やカウンターの上などにヘアピンを放置するとサビが発生してシミついてしまうケースがあるが、これも同じ現象である。
回復 浴室用洗剤では除去が難しい。浴室用のクリームクレンザーを使用する*。
*FRPや人工大理石など浴槽が樹脂系の素材の場合は、柔らかく傷つきやすいので力を入れず丁寧に擦るよう注意する。
上記の方法で回復できない場合、衣料用の還元系漂白剤を利用して、酸化した鉄分を還元して落としやすくする方法がある。
・使用できる浴槽の材質:タイル、FRP、ホーロー等
・使用できない浴槽の材質:ステンレス等金属材質

銅石けんの浴槽への染色

状態 浴槽の喫水線付近などにブルーの染着。
原因 入浴剤の色素が染着したものと誤解されやすいが、原因は「銅石けん」と呼ばれる、湯沸し水中に含まれる銅イオンに由来するものである。給湯器の熱交換器に銅が使用されている場合、銅イオンが水中に溶出する可能性がある。井戸水など水源のpHが低い場合は銅イオンの溶出量が多くなりやすい。
銅イオンが含まれた水に脂肪酸(浴槽の湯垢汚れ、皮脂汚れ)が関与すると銅石けんが生成される。一般には銅イオンは目立たないが銅石けんに変化すると鮮やかな青色を呈する。
回復 以下の手順で除去を試みる。
1)中性の浴室用洗剤で染着部分をキッチンペーパー等にしみこませ、5分程度貼ってから浴室掃除用のスポンジでこすり落とす。
2)薬局等で入手できるアンモニア水(10%溶液)を不要になった衣料などに浸し、染着部分をよく擦り落とす。
【代替法】 市販の油汚れ専用洗剤(弱アルカリ性~アルカリ性)でキッチンペーパー等にしみこませ、5分程度貼ってから浴室掃除用のスポンジでこすり落とす。