開発秘話

漢方の花─順天堂実記より

婦人薬 「中将湯」を精製する課程で、品質に不適合とされた原料(刻み生薬)をある社員が自宅に持ち帰り、試しにお風呂に用いたら、夏場は子供のあせもが消えるし、冬場は温泉に浸かったように、身体がよく温まり、実に好都合であった。
このうわさが日本橋や目黒界隈の銭湯経営者の耳に入り次から次へと、評判を聞いて津村順天堂にやって来たことから浴剤の開発に乗り出した。


<参考文献>

  • 全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会編集「公衆浴場史」
  • 中野栄三 「入浴・銭湯の歴史」1984 雄山閣
  • 大場修  「風呂のはなし」 1986 鹿島出版会
  • 武田勝蔵 「お風呂と湯の話」1996 初版7刷 はなわ新書
  • ティドビット ~水まわりのまめ知識~ TOTO
  • 川上 利勝 「風呂と人間」 1977 メジカルフレンド社
  • 埼玉県立博物館 「ゆ~お風呂の文化史~」 2000
  • 町田 忍  「銭湯」「五右衛門風呂」写真
  • 津村 重舎 「漢方の花」 1982 サンケイ新聞プロダクション